はじめに
最近PCを組んだ。
現状考えられる中でパフォーマンス重視かつ若干コスパ考慮の強構成にしたのだが、なんでもRX6800xtとRX6900xtはレイジモードが存在するとのこと。
レイジモード(Rage)は製品保証の範囲内でオーバークロック(OC)する機能のこと。
通常、ソフトからオーバークロックしようとすると警告表示などが出てエンドユーザーライセンス契約を結ぶ必要があるが、レイジモードでは何の表示も出ない。
気軽かつ安全に性能を向上させられるなら良いじゃないか、と思ったが一方で製品保証の範囲内と言うことは大して性能が上がらないんじゃないかという疑問がわく。
特に、私の場合はCPUクーラーとして空冷を選択していたため、GPUの発熱が無駄に増えるとCPUが冷えにくくなることで却って全体としてのパフォーマンスが低下してしまうのではないか?
そこで、今回は実際に3D MARKのTime Spyをレイジモードオンとオフの状態で動作させ、結果を比較していく。
環境
CPU : ryzen9 5900X (定格)
GPU : Powercolor RED DEVIL Radeon RX6800XT
CPUクーラー:AssasinⅢ(アサシン3)
マザーボード:TUF GAMING B550-PLUS
室温:約25℃
結果
まずは定格でGPUを動かしたときの結果。
次にチューニングモードをレイジ(Rage)に設定したときの結果。
注目して欲しいスコアは3つ。
- Time Spy スコア (左上)
- グラフィックスのスコア(中央上)
- CPUスコア(グラフィックススコアの下)
まず、レイジモードにすることでシステム全体の性能は間違いなく向上した。
スコアの内訳であるグラフィックスとCPUのスコアを見てみると、グラフィックスのスコアが向上したのに対して、CPUスコアは低下してしまっている。
これは、GPUから発生する熱によってCPUの温度が上がってしまっている事を表している。
Open Hardware MonitorでCPUのパッケージ温度とGPUの温度、GPUファンの回転数を見てみたが、更にはっきりと温度が与える影響についてわかる。
定格時のCPUパッケージ温度は最高で87℃であったのに対し、レイジモードでは88.4℃出ていた。1.4℃の差とはいえ、確実にGPUの温度がCPUに影響を与えている。
GPU温度についても同様で、定格時には最高でも75℃前後出会ったのに対しレイジモードでは81℃まで最高温度が上昇していた。
GPUファンの回転数をみても、定格時は最高で1900rpm程度だったのに対しレイジモードでは2277rpmまで回転速度が上がっていた。
以上が比較した結果である。
まとめると、高グラフィック性能が要求されるゲームを遊ぶ際はレイジモードオンが良いだろう。
一方でシミュレーションゲームなどCPU性能が重要なゲームやアプリケーションではGPUを定格に戻すことも検討して良いだろう。
設定自体は非常に簡単で文字通り一瞬で切り替わるので色々試してみて欲しい。
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まとめ
いかがであろうか。
気軽かつ安全にOCできるツールとしてはレイジモードはお勧めできると考える。
また、空冷のクーラーを使用していても間違いなくGPU性能は上がるため、グラフィック性能が欲しい際は空冷クーラーを使用している人であってもレイジモードをオンにして良いと考える。
一方で、室温がさらに高くなりやすい夏場などは排熱にさらに気を遣う必要があるだろう。
とくにCPUに熱が伝わってしまう現象については空冷クーラーを使用している以上は避けられないため注意。
この記事がお役に立てれば幸いである。
それでは。